事実証明や権利義務に関する書面を作成することは行政書士の業務です(行政書士法第1条の2)。書面作成の前提として事実関係の調査をします。

調査の方法は多岐にわたります。

戸籍や住民票によって身分や住居関係を調べたり、関係者への聞き取りから事実を整理します。過去の出来事なら新聞などから裏を取ったり、交通事故などでは現場の状況を見分します。

在留特別許可の案件では、対象者の在留歴、在留状況にはじまり日本にきた経緯、結婚に至った経緯、仕事や所有財産の有無、家族の状況など細かなヒアリングを行います。

在留特別許可を得るためのヒアリング項目はある程度決まっているので、それほど困難ではありません。対象者もその家族も当然のことながら在留を希望しているので協力的です。

ところが問題がひとつあります。

オーバーステイで退去強制の対象となり、在留特別許可がなされるかどうかで今後の人生が左右されるような状態の時、誰でも不利なことは言いたくはありません。だから聞かれないことは黙っておこうとか、聞かれても嘘をつくことを考えがちです。

でも嘘はいけません。入国管理局は対象者の在留状況や身分関係を把握していますので嘘は必ずバレます。

もし陳述書や理由書の内容に嘘があることがわかれば在留特別許可は期待できません。必ず不許可になるでしょう。

ですからよいことも悪いこともすべて正直に話してもらう必要があります。本人があまり意識していない事実の中にも重要な事実が含まれることがあります。在留特別許可を得るための判断は専門家に任せてすべて正直に話してほしいのです。

調査は本人と家族にとどまりません。勤務先や近隣住民に聞き込みをすることもあります。日常生活の様子などについて客観的な裏付けを取るためです。

在留特別許可を得るための調査には、このような事実調査に加え法律調査があります。事実から見えてくる在留特別許可の要件とその該当性判断の基準は何か、ということを調査します。

過去の事件の許可・不許可の結果だけを見ていても在留特別許可の要件は見えてきません。入管法や在留特別許可に係るガイドラインを見れば一定の要件は明らかになりますが、その規定ぶりからは要件該当性の基準は見えないのです。

要件該当性の判断は法務大臣の裁量行為だと言われます。

しかし、いくら裁量行為だといっても法務大臣が事件ごとに、そのときの気分で決めるなどということはありません。法務大臣は行政裁量論に基づく一定の判断枠組みに従って適切だと思う判断を下しているのです。

その枠組みと法的に重要な事実は何かを調べるのが法律調査です。

できる行政書士は、まず事件の背景にある事実を調査し、次に在留特別許可に向けた法的な判断枠組みを検討する法律調査を行います。そして判断枠組みを示した上で多くの事実の中から重要な事実を使って在留特別許可の要件該当性を示します。

プロフィール

在留調査チーム高度な調査に基づく在留特別許可手続きで強制送還をストップ! 法律調査と事実調査の専門調査員が連携して在留特別許可に関する書類を作成します。収容案件では即時面会を実現して仮放免許可申請に備えます。在留調査チームは徹底した法律調査と事実調査を行う在留特別許可の専門チームです。