在留特別許可は同じような事件でも結論が異なることがあります。この点に関し、在留特別許可をするかどうかは法務大臣の裁量だから、どのような結果が出ても違法性の問題は生じない。そのように語られることがあります。

在留特別許可が法務大臣の裁量に左右されるのはそのとおりです。

しかし、だからといって違法性の問題が生じないとするのは間違いです。裁量といっても法務大臣が全く自由に決められるわけではなく、裁量にも許される一定の枠があります。

法務大臣の裁量がその枠を越えていたり濫用的に行使された場合には違法となります。

行政書士は行政手続の専門家です。行政手続は法律に基づいて行われます。ですから本来、行政書士は業務を行う分野の法律に精通している必要があります。

ところが、行政書士の行う申請業務の多くには、いわるゆ雛形が存在します。添付する必要書類もある程度決まっているので、必要書類を集め雛形を文字で埋めれば申請書類はできあがります。

こういうと簡単そうに思えますが、必要書類を集めるのは面倒です。複雑な雛形もあります。申請書類の作成には時間がかかります。役所まわりをしたり、わからないことを調べたりと面倒な作業が多いです。申請後も役所から書類の補正を指導されたり、追加書類を要求されたりすることがあります。

中には法律に精通している行政書士もいます。尊敬できる先生方も多いです。しかし多くは目の前の手続きに目が行きがちで、法律よりも書式だけを見ている行政書士が多いのも事実です。

そういった行政書士にとって、法務大臣の「裁量」という明確でない要件は手に追えないのかもしれません。そうだとすれば、在留特別許可という業務に手を出すべきではないでしょう。

依頼しようとしている行政書士が、在留特別許可に精通しているかどうかを知る方法は簡単です。

「法務大臣の裁量とはどういうものですか?」と質問してみてください。

その行政書士が裁量の判断枠組みを答えられないなら、これまでにいくらたくさんの在留特別許可の案件をやっていたとしても、残念ながら在留特別許可に精通しているとはいえません。数稽古がスキルではないのです。法律を理解しているかどうかが重要です。

プロフィール

在留調査チーム高度な調査に基づく在留特別許可手続きで強制送還をストップ! 法律調査と事実調査の専門調査員が連携して在留特別許可に関する書類を作成します。収容案件では即時面会を実現して仮放免許可申請に備えます。在留調査チームは徹底した法律調査と事実調査を行う在留特別許可の専門チームです。