行政書士は訴訟の代理人にはなれません。ですから一般的に行政書士は業務上、訴訟とは無縁です。

依頼を受けた事件が訴訟に発展しそうになった段階で弁護士にバトンタッチです。訴訟でどのような主張・立証が展開されたか、最終的にどうなったかについて報告してくれる弁護士は少ないです。個人情報などのこともあり仕方ないともいえますが、これが行政書士の限界です。

しかし、行政書士は訴訟代理人になれないからといって、裁判のことを知らなくてもよいのでしょうか。

私はそうは思いません。特に在留特別許可の事件を受任する場合は、裁判例に精通している必要があると思っています。

在留特別許可の嘆願においては、法務大臣の裁量統制を理解しておかなければなりません。そのために裁判例の研究は不可欠です。

しかし在留特別許可についての裁判例が掲載されている書物は多くありません。だから裁判例を勉強しようとしても他の分野に比べて資料を入手しにくいといえます。

そのため私たちの事務所では判例データベースを導入しています。「在留特別許可」というキーワードで検索すれば、1000件以上の裁判例がヒットし、事実の概要や判決文全文を参照することができます。

行政書士で判例を研究するとは実にマニアック、そう言われることもありますが、在留特別許可の事件をやる以上は必要なシステムだと思っています。

似たような事件を裁判例で見つけることはできても、同じ事件はありません。あくまで「似たような」事件なので、その判断枠組みをそのまま使うことは危険だといえます。

では、受任した事件の判断枠組みをどのように把握すればよいのでしょうか。

重要なのは類似する裁判の基礎となる事実と受任した事件における事実にはどの程度のズレがあるのか、ということです。どの程度のズレならば類似する裁判例の枠組みが使えるのかがポイントとなります。ズレが大きいと類似する裁判例の枠組みは使えません。

これを「判例の射程」ということにします。

プロフィール

在留調査チーム高度な調査に基づく在留特別許可手続きで強制送還をストップ! 法律調査と事実調査の専門調査員が連携して在留特別許可に関する書類を作成します。収容案件では即時面会を実現して仮放免許可申請に備えます。在留調査チームは徹底した法律調査と事実調査を行う在留特別許可の専門チームです。